なごや看護生涯学習セミナー
平成21年度 公開講演会の報告
[掲載日:2010年2月22日]
名古屋市立大学看護学部・地域貢献事業実施報告
平成21年度なごや看護生涯学習セミナー・公開講演会では、東京女子医科大学・佐藤紀子教授をお招きし、「看護師の臨床の知―看護職生涯発達学の視点から―」と題してご講演を賜りました。地域で活躍する看護職者を対象とした講演会に、222名の参加者があり、佐藤紀子先生の熱のこもったお話に有意義な時間を過ごすことができました。 平成21年度は本学看護学部開設10周年でもあり、大学病院看護部との協働で記念すべき公開講演会を開催することができました。
開催概要
平成21年度 なごや看護生涯学習セミナー公開講演会
~名古屋市立大学看護学部10周年記念事業~
- 題名
- 看護師の臨床の知―看護職生涯発達学の視点から―
- 講師
- 佐藤 紀子先生(東京女子医科大学大学院看護学研究科・教授)
- 日時
- 平成21年12月10日(木)18時-20時
- 会場
- 名古屋市立大学病院ホール(病棟・中央診療棟3階)
- 主催
- 名古屋市立大学看護学部地域貢献委員会/名古屋市立大学病院看護部
- 参加者数
- 222名
講演要旨(当日配布資料から抜粋)
看護師が臨床で経験を積むことには、どのような意味があるのだろうか。
私の中でこの問いへの答えを探す作業は、「臨床」の意味を見つめなおすことから始まった。看護師の「臨床」とは、看護師と患者が出会う場であり、そこには他者が介在しない。看護師と患者以外の人物がだれも存在しない場が「臨床」であり、看護師は「臨床」で唯一無二の実践を繰り返している。その意味で、看護師の仕事は日常的で地味なものであるために、意識した省察しながらの実践でなければ、起きた事象もその時の自身の感情や思考も時とともに流れ去っていく傾向がある。
私は20数年にわたり、看護師に自身を主語にした臨床での事例を記述することを依頼し、私が記述された内容を分析するという研究を続けてきた。その中で、看護師の実践が、終末期にある人や病むことで力を失った方たちの命を支え、命を守り、笑顔を引き出すことに力を孕んでいる事実を発見し続けている。現在私が考えているのは、看護師たちが何を拠り所に仕事をし続けているのかを言葉にすることの意味と価値である。私はこれまで行ってきた研究の成果から、個々の看護師の心に残っている患者さんや心に残る場面に、その看護師の看護を支える核につながる経験が存在することを確信している。そして残念なことに多くの看護師は自分の体験を語らないし、語る術も持たない。重要なのは書くにしろ語るにしろ、熱心に読む人、熱心に聴く人が必要だということである。私は看護師が職場の同僚たちと実践を語り聞く機会を積極的に作っていくことが、看護師を支える仕組みの中にどうしても必要だと考えている。
本講演では、私の研究の過程で言語化することができた「看護師の臨床の『知』」について紹介し、参加者の皆様のご意見を伺いたいと考えている。

[佐藤紀子先生 ご講演の様子]

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